生活習慣病の治療や、心臓病(心房細動)の治療などがあります。

生活習慣病(1);高血圧治療

最近降圧剤に脳梗塞の発症・再発予防効果があることがわかってきました。血圧は限りなく正常に近づけることが重要です。研究の中には正常血圧の患者さんに降圧剤を投与してもなお、再発を減少せしめたとの報告もあります。このように降圧剤は血圧を下げるだけではなく、動脈硬化を抑えたり脳卒中再発を予防したりと様々な効果が知られていますので、処方を受けている患者さんは血圧が下がったといって自己判断で中止しないよう気をつけましょう。脳梗塞後1~3ヶ月後で140/90mmHg未満とすることが推奨されています。

生活習慣病(2);高コレステロール(高脂血症)治療

高脂血症薬においても再発予防につながる可能性があるのではないかと期待されています。高脂血症薬の服用患者さんの中で脳梗塞になる人が少ないというデータがあり、これをうけて再発予防にも効果があるのではないかと期待されているのです。スタチン系と呼ばれる内服薬で脳卒中の発症が約30%低下したとの報告があります。現在日本で研究が進んでいます。(J-STARS研究)

生活習慣病(3);糖尿病治療

糖尿病は脳梗塞発症のリスクを2~3倍にすると言われていますのでそのコントロールは重要です。

生活習慣病(4);メタボリック症候群の治療

最近、メタボリックシンドローム(メタボリック症候群)と呼ばれる生活習慣病の病態が注目されています。血圧、血糖、高脂血症はそれぞれが軽症なのですが、これに当てはまる人は将来狭心症、心筋梗塞、脳卒中になる危険性があるというものです。特に腹囲が診断基準に盛り込まれているのがポイントです。腹囲が大きいということは内臓脂肪が多いことを示しています。内臓脂肪は異常な肥満脂肪細胞であり高血圧、動脈硬化を助長する化学物質を放出するため注意が必要なのです。

診断基準

腹囲 男性>85cm、女性>90cm
中性脂肪 150mg/dl以上
低HDLコレステロール
(善玉コレステロールが低い)
男性<40mg/dl、女性<50mg/dl
血圧 収縮期130mmHg以上、拡張期85mmHg以上
血糖 110mg/dl以上

この5項目のうち3項目を満たすものをメタボリックシンドロームといいます。

治療の基本は生活習慣の改善です。

食生活の改善 腹八分目、脂肪分、塩分、甘いもの、アルコールは控えましょう
適正体重の維持 BMI(肥満度)=体重(Kg)÷(身長(m)×身長(m))
標準はMBI=22で25以上を肥満としています。
適度な運動 ウオーキング、ジョギングなど
禁煙 タバコはニコチンを介しての血圧上昇作用があります。
ストレスをためない