前立腺がんとは?
前立腺は、精液の一部を産生する臓器であり、男性の膀胱の下で尿道を取りまくように位置します。 正常では栗の実大ですが、年齢とともに増大し(前立腺肥大症)、排尿障害をきたすことがあります。 そこにできるがんを前立腺がんといいます。近年、腫瘍マーカーとしてのPSA(前立腺特異抗原)検査の普及により前立腺がんは増加傾向です。
診断としては、PSA、直腸診、MRIにより評価したのち、前立腺針生検により、がんの有無、その悪性度を調べます。がんと診断されれば、CTや骨シンチにより転移の有無を評価します。
治療は転移の有無、悪性度、がんの広がり、PSA値により異なります。転移がないものに対しては、(1)手術、(2)放射線治療±ホルモン治療、(3)無治療経過観察の3つの選択肢が挙げられます。当院では、前立腺全摘除術は全例ロボット手術で実施しています。
ロボット支援下前立腺全摘除術の方法
基本的には、開腹の前立腺全摘除術と同様です。
- 全身麻酔で手術をします。
- お腹をガスで膨らませ、腹腔鏡(カメラ)で観察しながら前立腺周囲を剥離します。
- 前立腺を膀胱と尿道から切り離し、切除します。
- 膀胱と尿道を縫い合わせておしっこの管を留置します。
ロボット支援下前立腺全摘術のメリット
- 腹腔内をガスで膨らませて手術することにより、手術中の出血を最小限に抑えることが可能。
- 拡大視野、手ブレ防止機能により、より正確な操作が可能。
- 勃起神経温存(術後の勃起機能を可能な限り温存できる)。
- 術後尿失禁の早期回復。
- 拡大リンパ節郭清(前立腺周囲のリンパ節を広く摘除することにより再発を減らす)。
当院泌尿器科でのロボット手術のメリット
- 米国で外科医として3年間の手術修練を積みこれまで400例以上のロボット手術を執刀した熟練した医師を有する。
- 複数のコンソールサージョンを有する。
- 当院では、これまでに100例以上の症例を経験。
ダヴィンチ手術(泌尿器科) 入院費概算
腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍術(内視鏡手術支援機器を用いるもの)
入院期間:約11日
健康保険使用時医療費概算(3割負担の場合):約45万円
70歳未満の場合
限度額適用認定証申請 月をまたがない場合
区分(ア) | 約26万円 |
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区分(イ) | 約18万円 |
区分(ウ) | 約9.5万円 |
区分(エ) | 5万7600円(上限額) |
区分(オ) | 3万5400円(上限額) |
70歳以上の場合
限度額適用・標準負担額減額認定証申請 月をまたがない場合
現役並み所得者 (Ⅲ) | 約26万円 |
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現役並み所得者 (Ⅱ) | 約18万円 |
現役並み所得者 (Ⅰ) | 約9.5万円 |
一般所得者 | 5万7600円(上限額) |
住民税 非課税世帯(Ⅱ) | 2万4600円(上限額) |
住民税 非課税世帯(Ⅰ) | 1万5000円(上限額) |
※医療費のみの金額です。食事代、個室代等の自費分は含まれていません。
ロボット支援下下前立腺全摘術の適応が可能な方
- 転移のない前立腺がんを有する患者のうち、10年生存が見込める患者
- 全身麻酔による手術に耐えられる全身状態の方
ロボット支援下腎部分切除術のQ&A
入院期間はどのくらいですか?
術後問題がなければ約10日間です。
どのような合併症がありますか?
この手術に特有の合併症としては、尿失禁、ぼっき障害、吻合部不全、直腸損傷などがあげられます。
手術費用はいくらかかりますか?
すでに保険適応になっています。医療費の目安を参考にしてください。
手術の後、どのくらいで仕事に復帰できますか?
仕事の内容にもよりますが、退院後1〜2週間は自宅で経過をみて、問題なければ仕事に復帰できます。
がんの再発が心配です。
術後、病理組織結果PSAの値を参考にしながら必要であれば追加治療を行います。