薬剤に耐性傾向のあるアシネトバクター検出事例に関するご報告
令和5年4月17日
県立中央病院
県内複数の医療機関において、薬剤に耐性傾向のあるアシネトバクターの検出が確認されています。
アシネトバクター属菌は、健常者はほとんど感染症を起こしませんが、免疫不全患者や熱傷患者では時に肺炎や皮膚軟部組織感染症などを引き起こすことがあり、薬剤に耐性傾向のあるアシネトバクターについては、厳重な対策が必要となります。
当院においても、2種類の薬剤に耐性を示す(抗菌薬が効きにくい)アシネトバクターが、入院中の患者様から検出されており、高松市保健所、香川県感染症対策課、国立感染症研究所実地疫学専門家養成コースと協議のうえ、以下の対策を行っております。
・2剤耐性アシネトバクターの感染経路に関する調査
・全職員に対する病室入退室時の手指消毒
・手袋やエプロン等の適切な使用に関する指導
・検出された患者様の感染対策の強化(個室への移動等)
・細菌の抗菌薬への耐性化防止のため、より一層の抗菌薬適正使用の強化・推進
・関連病棟の検査の実施(患者・環境培養等)
・水回りの消毒及び物品整理
・対応専門チームの設置
令和4年12月23日には、県から医療機関に対して薬剤耐性菌への対策について注意喚起が行われており、この度、当院では、入院される患者様のアシネトバクターの保菌状況を早期に発見するため、令和5年4月18日から、必要な患者様に対して検査を実施します。
当院で治療を受けられている患者様、ご家族の皆様並びに、地域の皆様、関係各位にご心配、ご迷惑お掛けしておりますことを深くお詫び申し上げますとともに、検査へのご理解、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
参考)令和4年12月23日 香川県通知 薬剤耐性対策について(注意喚起)文書はこちら