内視鏡検査・治療総数の推移
内視鏡は検査と治療に大別できますが、総数でみても増加しつつあります。適応が小腸出血が疑われる場合と限定されているため、件数は年間30件ほどですが、2008年よりカプセル内視鏡検査を行う事も可能となり、困難とされてきた小腸の検査が容易となっています。
内視鏡的治療件数の推移
内視鏡を使用した体内からの治療は、臓器が温存されるため、ほとんどの場合は治療前と同様の食生活が送れるという利点がありますが、その適応は、正確な内視鏡診断により決定する必要が有ります。多くの治療手技が開発されましたが、当科にて、ほとんどの治療手技は施行可能となっています。また、治療中の鎮静(意識レベルを下げて苦痛を軽減する)や鎮痛(痛みの感覚を低下させる)の研究も積極的に行う事で、より安全で安楽な治療が行えるようスタッフ全員で取り組んでいます。
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
消化器癌に対する内視鏡的切除法として、内視鏡的粘膜切除術(EMR)が行われてきましたが、より大きな癌でも完全に切除しうる方法として内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が開発されました。保険診療にて施行できるのは、当初は胃癌に対してのみでしたが、今では食道癌、大腸癌に対しても施行可能となっています。当科では、ESD創世記より積極的に取り組み、安定した治療成績が達成できております。最近では、より高い技術を要する食道癌や大腸癌に対するESDの紹介が増加しています。