最終更新日:2022/03/15

カプセル内視鏡検査・小腸バルーン内視鏡検査

薬のカプセルよりも少し大きなカプセル内視鏡(長さ26mm、幅11mm)を飲んだのち、カプセルが消化管の動きによって徐々に進みながら、1秒間に2枚ずつ撮影していきます。10時間にわたり計5万~5万5000枚の画像を撮影し、腰に取り付けたレコーダーに記録します。これをあとでコンピューターで動画として解析します。患者さんの負担が少なく、小腸全体を観察することができます。

カプセル内視鏡検査の実際

検査前日の夜は早めに夕食をとっていただき、検査当日は朝8時半よりカプセルを飲んでいただきます。記録装置用のベルトをつけていただきますが、日常生活は通常どおり行えます。夕方、来院いただき、装具をはずし終了です。データ解析後、結果は後日の説明となります。カプセルは、便と一緒に出てきますのでお渡しした回収道具で回収し説明時に持参いただきます。

NSAIDs小腸潰瘍

近年高齢者の増加などにより非ステロイド系消炎薬・抗血小板薬(NSAIDs)処方が増加傾向であり、NSAIDsによる消化管粘膜障害の報告が増加しております。以前よりNSAIDsが胃粘膜障害を起こすことは知られていましたが、小腸にも粘膜障害を起こすことが明らかとなってきております。NSAIDsを内服中で出血が疑われる患者に対してはカプセル内視鏡により小腸病変の有無を検索します。

小腸腫瘍

これまで小腸には腫瘍性病変が少ないとされてきましたが、近年小腸検査の普及に伴い報告例が増加しています。腫瘍が疑われる症例に対しては積極的にカプセル内視鏡を行い腫瘍を検索します。必要に応じてバルーン内視鏡で確定診断をして、外科的手術を行うこともあります。