最終更新日:2024/05/29

子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍です。子宮にある筋腫の核が女性ホルモンの卵胞ホルモン(エストロゲン)の作用により大きくなり、何らかの症状を示してきます。
成人女性の30%は子宮筋腫を持っていると言われており、決して珍しい病気ではありません。筋腫の大きさや個数は様々で、子宮のどこに筋腫ができるかによって、筋層内筋腫、漿膜下筋腫、粘膜下筋腫の3つに分類されます。

診断

子宮筋腫の主な症状は、月経困難症や過多月経です。筋腫が大きくなると、周囲臓器の圧迫症状(頻尿や便秘など)が起こりやすくなります。筋腫のできた場所や大きさによっては自覚症状が無く、健康診断で貧血を指摘されて初めて気付くこともあります。
子宮筋腫が見つかっても、症状が無い場合は特に治療は必要ありません。定期検診で、筋腫が大きくなったかどうか、症状が出てきたかどうか経過観察をします。

治療法

治療が必要と判断された場合は、手術療法と薬物療法があります。医師と一緒に以下のことを考慮しながら、治療方針を決めましょう。

手術療法

妊娠希望がある方には、子宮筋腫だけ核出して子宮を温存します。妊娠希望の無い方には子宮全摘手術を行います。開腹手術のほか、腹腔鏡や子宮鏡を用いた低侵襲手術、膣式手術を行っています。お気軽にご相談ください。

薬物療法

女性ホルモン分泌抑制作用のあるお薬(GnRHアナログ)で、筋腫の増大を止め縮小させます。長期間使用できないのが難点です。

その他

ホルモン放出子宮内器具の挿入や、子宮内膜アブレーションで、過多月経症状の改善を図る方法があります。