検尿で異常を指摘されたら
健診で検尿異常を初めて指摘された人のうち、大半の方は元気に過ごしています。その異常は、必ずしも病気を示すものではありませんが、重篤な病気の初期段階の場合もあります。この“重篤な病気”も数日後に具合が悪くなるものは少なく、数か月から10年以上後に具合が悪くなるものが珍しくありません。“体調不良を感じたら受診”はやめましょう。特に、検査結果が出て数日のうちに具合が悪くなりそうな結果の人には、学校などから至急受診するように特別な連絡があるので、至急受診してください。
また、検尿をきっかけに発見されることが多い病気は生まれながらのものではなく、生涯の途中から発症してくるので、前回の検尿異常が精密検査で異常なし、とされた人が、今回の検尿異常も病気ではない、とは言えません。お手数ですが、健診で問題を指摘された場合は、毎回医療機関で相談しましょう。
体質的な尿異常を見分けるのに、朝起きてすぐに採取した尿を調べると手掛かりになります。適切な容器がなければ、お茶や水のペットボトルをゆすいで乾かして容器にして、朝起きてすぐに採取した尿を持って受診すると、スムーズです。
最後に、学校や園の関係者の方へお願いです。保護者に検査結果をお伝えする際に、保護者から「定期通院しているので、お手紙は要りません」と言われる場合があるかもしれません。ただ、通院でお子様が欠席する回数を減らすためにも、健診の結果を病院でも参考にしています。検査結果や病院宛の書類は保護者にお渡しするようお願いします。
検尿で発見される代表的な病気
・慢性腎炎/急性腎炎 多くは慢性腎炎ですが、急性腎炎が発見される場合もあります。
・糖尿病 似たものに腎性尿糖があります。
・ネフローゼ症候群 健診ではなく自覚症状から発見される方が多いですが、無症状の時期に発見される場合があります。
(健診の検尿で実施される項目は、自治体や私立学校など健診の実施機関により多少異なります。)