最終更新日:2022/10/26

先天性腎尿路異常

どのような病気

 尿が作られる腎臓、尿の通り路の尿管や膀胱・尿道など尿路が、生まれながらに構造が異なり、機能異常を複合した状態です。低形成腎や嚢胞性腎疾患、水腎症や後部尿道弁などさまざまな種類があり、総称してCAKUT(Congenital Anormalies of Kidney and Urinary Tract)と呼ばれます。その原因も問題の大きさも様々ですが、小児期に末期腎不全になる原因の半数近くを占めるのは、このCAKUTです。

どのような症状

 現在の日本では周産期医療が発達したため、多くの場合、胎児期(お母さんのお腹にいる時期)に発見されますが、生まれた後で尿路感染症や体重増加不良の検査中に発見されることがあります。

どのような検査

 おそらく最初に行われる検査はエコーですが、CAKUTの種類によってCTやMRIなどの形をさらに評価する検査、シンチグラムや透視検査など機能を評価する検査、というふうに次に必要な検査も様々に異なります。尿検査や血液検査も時々行われますが、一般的な尿検査で異常は少なく、出生後に早期発見することが難しい疾患です。

どのような治療

 後部尿道弁や膀胱尿管逆流などで手術治療が必要な場合、小児外科医・小児泌尿器科医に紹介します。低形成腎・異形成腎などで伴いやすい機能異常に対しては、機能異常を補う薬剤治療などが必要になってきます。