慢性腎炎/急性腎炎
どのような病気
腎炎、中でも特に慢性腎炎は、健診で発見される腎臓病で最も多いものです。教科書的には、目で見てわかる血尿(肉眼的血尿)やむくみ・高血圧などが数日間で悪化する「急性腎炎」と発見時には血尿や蛋白尿の検査異常だけで大半の方が無症状の「慢性腎炎」があります。急性腎炎は短期間でピークを越えるとゆっくり治る場合が多く、慢性腎炎は自覚症状なく何年もかけて悪化、自覚症状が出た時には回復が難しい場合が多くみられます。ただ、健診で異常がみつかった初期段階では慢性腎炎と軽症の急性腎炎の区別が難しい場合があります。腎臓の中での問題部位別に分けると、腎炎は多くが糸球体腎炎ですが、間質性腎炎という別区分の病気もあります。
どのような症状
腎炎に急性・慢性で共通してみられるのが血尿・蛋白尿です。ゆっくり進行する慢性腎炎でより重要な指標は蛋白尿の程度で、「多量で」「長期間に」蛋白尿が出るほど腎臓にダメージが大きいとされています。末期の慢性腎炎や教科書的な急性腎炎では、むくみや高血圧が出現します。腎臓のダメージが大きく、尿として排泄すべき老廃物が体内(血液中)に蓄積すると倦怠感や食欲不振などが現れます。
どのような検査
蛋白尿の程度は尿検査を行わないと把握できないので、繰り返し尿検査を行います。また腎炎を起こしている原因検索や病勢の把握に血液検査を行います。腎炎は目で見て分かる大きさの病気ではなく、目で見える大きさの病気がないか、エコーなどで確認します。腎炎は腎生検の結果に応じて詳細な診断名に分かれます。急性腎炎の経過が一般的でないと考えられる場合、慢性腎炎で蛋白尿が続く場合などに腎生検を提案します。
どのような治療
慢性糸球体腎炎の場合、腎保護作用のある降圧薬の一種が治療に使用されることが多くあります。さらに、腎生検による詳細な診断名とその重症度に応じた治療方法があります。急性糸球体腎炎の場合、むくみや高血圧などの症状を緩和する薬剤や食事療法を使用する場合があります。