縮小手術
<縮小手術>
肺葉よりも小さな肺を切除する方法です。肺がんに対する縮小手術には、その目的により「積極的」と「姑息的」の二つに分けられます。前者は、ある一定の条件を満たした早期がんを対象にしています。後者は、肺機能や全身状態が良くないため肺葉切除が無理な患者さんに行われます。
上の図は、S6とS1、それぞれの区域切除を示しています。
肺葉は気管支や血管などの構造物を基に、いくつかの小さな区域に分かれます。たとえば右側の上葉は3個(S1~3)、下葉は5個(S6~10)の区域から成っています。そのような解剖学的な構造を見定めて、区域単位で肺を切り取る方法を区域切除と呼びます。切除する肺の容積は肺葉切除よりも小さくて済みます。
部分切除(楔状切除)は肺区域よりもさらに小さく肺を切り取る方法です。簡単にいえば、病変ごと肺をつまみ上げて、そこをくさび型に切除します。肺表面に近い小さな病変が対象となります。きわめて早期の肺がん(画像的非浸潤がん)であれば完治が十分に望めることが、最近の臨床研究で明らかになりました。