パーキンソン病について
パーキンソン病は主に中年以降に発病する脳の病気です。頻度は比較的高く、65歳以上の100人に1人が発症すると言われています。手足のふるえ(振戦)、筋肉の固さ(筋固縮)、動作が鈍くなる(無動・寡動)、倒れやすくなる(姿勢反射障害)ことが4大症状とされています。脳内でドーパミンという物質をつくる神経細胞が減少することが主な原因です。一方で、パーキンソン病以外にもパーキンソン病に似た症状を示す病気が数多く知られており、鑑別診断が難しい病気の一つです。
パーキンソン病の治療薬は、投与経路、作用時間など様々な種類のものが使われています。治療ガイドラインが策定され、どこの施設でもおおむね標準的な治療を受けられるようになってきてはいますが、薬の組み合わせや使用量などはそれぞれの患者さんの症状とニーズに合わせて大きく変化するものです。ここ数年はパーキンソン病の新規治療薬が続々と発売されており、従来の治療薬では治療が難しかった患者さんでも治療薬を見直すことで症状改善が得られるようになってきました。即効性のある注射薬は外出先などでのオフ現象(パーキンソン病患者さんが急に固まって動けなくなる現象)の対策に有効です。また、ゆっくりと時間をかけて薬が吸収される仕組みを持った徐放製剤や貼付剤、持続皮下注射のデバイスは薬の効果が切れて症状が変動するのを抑えるのに役立ちます。
当院では、パーキンソン病の治療の前に、問診・診察に加え、頭部MRIやMIBGシンチグラフィーやダットスキャンなどの補助診断装置を用いてできる限り正確な診断を目指しています。外来で薬剤調整が難しいときや、症状を早く改善させたいときは入院で治療を行うこともあります。
受診の予約方法等につきましては脳神経内科、外来までお問い合わせ下さい。