大腸疾患
大腸の病気は、癌などの悪性腫瘍、感染性腸炎や潰瘍性大腸炎などの炎症性疾患、便秘や下痢といった症状を主体とする機能異常に大別されます。大腸癌は近年増加しており、検診の便潜血検査などにより早期発見されればかなり生命予後もよい癌です。しかしながら、検診受診率あるいは検診で異常があった場合の精密検査(大腸内視鏡検査)受診率が悪く、進行癌で発見される場合が未だ多いのが現状です。
当科では、先進医療の承認下で、早期癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を導入し、現在では保険診療でESDを行える施設となっています。また、進行癌に対しても消化器外科と連携をとり可能な限りの治療を行っております。
20-30歳台での発病が多いクローン病や潰瘍性大腸炎は、長く治療が必要であり、精神的なサポートも含めたケアが必要であり、院内各部署と連携をとりながら、治療を行っています。ストレス社会を反映して機能異常の患者さんも多く、薬の調整は当然として、十分な話し合いにより症状が改善される患者さんも多いです。
大腸内視鏡検査
大腸内視鏡検査は大腸疾患の診断に不可欠な検査であります。しかしながら、検査前の下剤の飲みにくさ、検査に対する羞恥心などから、検査をためらう患者さんもおられます。当科では、内視鏡センタースタッフとも連携し、少しでも検査を受けやすい環境づくりに積極的に取り組んでいます。