最終更新日:2024/10/21

内視鏡総数

 内視鏡は検査と治療に大別できますが、総数でみても増加しつつあります。当科での内視鏡検査は、いわゆる人間ドックや検診は少なく、精密検査が主体となっています。これまで診断も治療も困難であった小腸疾患に対しても、2008年よりカプセル内視鏡検査、2012年より小腸内視鏡検査も施行可能となり、困難とされてきた小腸の検査および治療が可能となりました。両方の機器を使い分け、効率よく精度の高い診断と治療が行えます。通常の内視鏡検査も、最新鋭の機器により実施可能な体制となっております。

消化器内視鏡総件数

内視鏡的治療件数

 内視鏡を使用した体内からの治療は、臓器が温存されるため、ほとんどの場合は治療前と同様の食生活が送れるという利点がありますが、その適応は、正確な内視鏡診断により決定する必要が有ります。多くの治療手技が開発されましたが、当科にて、ほとんどの治療手技は施行可能となっています。また、治療中の鎮静(意識レベルを下げて苦痛を軽減する)や鎮痛(痛みの感覚を低下させる)の研究も積極的に行うことで、より安全で安楽な治療が行えるようスタッフ全員で取り組んでいます。

ESD件数

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)の治療内容

 2017年にⅠB Dセンターを開設

 潰瘍性大腸炎とクローン病は炎症性腸疾患(IBD)の代表的な疾患で、日本でも年々患者数が増加しています。IBDは診断・治療に苦慮する場合もあり、重症化するリスク、腫瘍性病変を併発するリスクもあり、専門施設での正確な診断、治療方針の決定、定期的な内視鏡検査などのフォローアップが必要です。当院では数十年前より多くのIBD患者さんの診療を行っており、2022年現在、約470名の潰瘍性大腸炎の患者さん、約190名のクローン病の患者さんが当院で治療を受けられています。
当院では学会発表、論文執筆、全国のIBD専門施設との共同研究も積極的に行っており、全国のIBD専門施設及びIBDを専門とする医師とのネットワークもあります。
 従来から使用されているメサラジン、ステロイド、栄養療法、血球成分除去療法、免疫調節薬、タクロリムス、抗TNFα抗体製剤は現在でも重要な薬剤ですが、最近では新規の生物学的製剤や、JAK阻害薬などの分子標的薬も承認され、治療の選択肢は格段に増加しました。一方で、患者さんに適した治療法を選択し、かつ副作用を回避するためには、膨大な文献などから得られた知見を常にアップデートしていく必要があります。当院では2017年に四国では初めてとなるIBDセンターを開設し、月に1回、カンファレンスを開催しています。消化器内科医、消化器外科医、小児科医、看護師、薬剤師、管理栄養士、メディカルソーシャルワーカーなどが集まって、患者さんの治療方針の検討、最新情報の共有などを行っています。多くの新薬の臨床治験にも参加しており、最近承認された生物学的製剤や分子標的薬の大部分は当院も臨床試験に参加した薬剤です。
 治療が奏効し病状が安定した患者さんについては、かかりつけ医での継続加療を推進しており、勉強会も含めて地域連携に重点をおいています。多職種の協力により、長期間の治療を要するIBD患者さんを支えていきたいと考えています。

内視鏡は検査と治療に大別できますが、総数でみても増加しつつあります。 当科での内視鏡検査は、いわゆる人間ドックや検診は少なく、精密検査が主体となっています。 これまで診断も治療も困難であった小腸疾患に対しても、2008年よりカプセル内視鏡検査、2012年より小腸内視鏡検査も施行可能となり、 困難とされてきた小腸の検査および治療が可能となりました。両方の機器を使い分け、 効率よく精度の高い診断と治療が行える施設は全国的にもまだ少ないのが現状です。通常の内視鏡検査も、最新鋭の機器により実施可能な体制となっており、極めて早期の食道癌の発見や癌の進行度評価の精度向上に役立っています。