最終更新日:2022/03/15

肺がん治療

手術の低侵襲化

傷を小さくすることや、切除する肺の大きさを縮小することにより患者さんの負担を減らすことを手術の低侵襲化と言います。
当科では、早い時期より積極的に内視鏡手術を始め、さらに完全胸腔鏡手術を、最近ではロボット手術を導入しました。現在、肺がんの大部分の症例に対して胸腔鏡下手術が行われています。

肺を温存する縮小手術

肺がんの手術は、通常、肺葉という大きな肺を切除します(肺葉切除)。しかし、肺がんの患者さんは喫煙者が多く、肺機能が低下していることが少なくありません。そのような方では、術後の肺機能の低下は深刻な問題となりますので、肺を温存することを考慮する必要があります。また、早期の肺がんに対しては、条件が良ければ区域切除や部分切除と言った縮小手術を行うことで、より大きな肺を残すことができます。

完全切除をめざして

切除困難な肺がんに対しては、完全切除をめざして積極的に大きな手術を行うことがあります。
【拡大手術】
肺がんが周囲の臓器に浸潤している場合、可能であればその部分を肺と一緒に切除します。当科では、心臓血管外科と緊密な連携をとり、大出血の危険性のある臓器の切除にも積極的に取り組んでいます。

局所進行肺がんに対する治療

縦隔リンパ節転移や周囲臓器への浸潤を認めるものを局所進行肺がんと呼びます。手術後に、再発を予防するために通常化学療法を追加しますが、その治療成績は良くありませんでした。
近年、導入療法(化学療法/放射線療法)を行って腫瘍の縮小が得られた後に手術を実施する、いわゆる集学的治療が有効であるとの報告が多くなされています。

チーム医療

定期的に、医師、看護師、リハビリテーション科、地域連携室、薬剤師などが集まり、患者さんの治療方針、退院支援などについて話し合います。
また、手術を受けられるすべての患者さんに、リハビリテーションと口腔ケアを行って術後肺炎予防や早期の回復をめざします。