最終更新日:2022/10/31

ネフローゼ症候群

どのような病気

 血液に含まれる蛋白(たんぱく質)が腎臓から尿の中へ大量に漏れてしまい(高度な蛋白尿)、血液中の蛋白が減って(低蛋白血症)、体の様々な働きに支障(合併症)が出てくる腎臓の病気です。膠原病のように腎臓も含めて多種類の臓器に問題がある場合(二次性)と腎臓のみに問題がある場合(特発性)があり、子どもでは特発性が大半です。一度きりの方もいますが、再発が多いのも特徴です。

どのような症状

 特発性ネフローゼ症候群を初めて発症した時は、顔や体のむくみが発見のきっかけであることが多いです。血液の循環が滞るためで、腹痛や尿量減少、たちくらみもよくみられます。悪化すると欠神や呼吸困難になったり、二次的に血液が血管内で固まりやすくなって血栓症を起こしたりします。血栓症の症状は多種多様に及び、重症度も様々です。ネフローゼになったことがある方は、悪化前に再発の早期発見が望ましいです。

どのような検査

 ネフローゼ症候群の診断には尿検査と血液検査が必須です。治療効果の判定には尿検査を繰り返し行います。再発した場合は低蛋白血症より早く高度な蛋白尿があらわれるので、やはり尿検査は重要です。腎生検を提案する場合がありますが、子どものネフローゼでは同じ検査結果が出ることが多く、全員にはお勧めしていません。

どのような治療

 特発性ネフローゼ症候群ではステロイドの内服(または注射)で治療します。副作用や合併症の治療も併用します。ステロイドでは治療効果が不十分な時には免疫抑制剤を使用する場合があります。特殊な病型の方には別の治療を提案します。