診療内容
部長 中村 聡子
【診療内容】
当科は常勤医2名が組織診および細胞診、病理解剖を分担し、毎週火・木に非常勤医1名が加わります。検査や手術で採取された全身の臓器や組織、細胞の標本を作製して顕微鏡で観察し、疾患の種類や進行度、治療の効果等を診断することによってチーム医療に貢献しています。手術中にも病変の良悪性や切除範囲、播種の有無等を迅速に診断し、術式の決定に寄与しています。迅速細胞診は気管支鏡などの検査中にも行っています。
診断は肉眼的から顕微鏡レベル、染色体や遺伝子レベルまで多岐にわたり、ゲノム検査やコンパニオン診断に用いる検体の選択と品質管理も病理医の業務です。ゲノム医療の発展に伴って病理検体の質は最重要課題となっており、検体の取扱いは日本病理学会のゲノム診療用病理組織検体取扱い規定に則って運用しています。臨床検査の国際規格であるISO15189の認定も取得しました。
適宜、学会や各臓器の専門医にコンサルテーションを行い、的確な診断を心がけています。
また、各科の医師を含む多職種と合同で症例検討を行っています。内視鏡(週1回)、婦人科(隔月)、呼吸器(隔月)、肝胆膵(月1回)、キャンサーボード(月1回)の各カンファレンスに加え、臨床・病理症例検討会(月1回)にて耳鼻咽喉科・頭頸部外科、歯科・口腔外科、脳神経外科、産婦人科、泌尿器科、整形外科各科の教育的な症例や病理解剖症例(全例)を検討しています。
病理診断科の仕事には以下のものがあります。
組織診
内視鏡検査や手術時などで採取された組織について、「病変が炎症かあるいは腫瘍か?」、「腫瘍であれば良性か悪性か?」などの診断を行います。ホルマリン固定された検体を適切な大きさに切り出し、パラフィンに置換し、包埋ブロックを作ります。約3μmに薄切し、染色後、顕微鏡で観察・診断します。必要に応じて特殊染色や免疫染色も行います。
治療方針の決定などに大きな影響を与える非常に重要な意味を持った診断方法です。結果報告は約3-7日です。
細胞診
婦人科・尿・喀痰などの剥離細胞や乳腺・リンパ節などの穿刺吸引細胞について良悪性や治療効果の判定を行います。また、抗がん剤の投与前に治療効果が期待できるか確認するためや経過観察にも用いられます。細胞診は組織診よりも固定時間が短く、包埋や薄切等の操作も必要ないため、組織診よりも早く診断できる利点があります。診断結果は臨床所見と併せて最終診断となります。結果報告は約2日です。
迅速診断
迅速組織診は、切除範囲の決定やリンパ節郭清の要否の判断のために、手術中に病変の一部を採取して凍結切片を作製し、診断します。また、迅速細胞診では、胸腹水中の癌細胞の有無を調べたり、内視鏡・気管支鏡検査中にその場で悪性細胞の有無を確認したりしています。
病理解剖
病理解剖を行うことによって、死亡の原因となった疾患の探求や治療効果の判定などが可能になり、今後の医療に生かすことができます。病理解剖を行うことも病理医の仕事です。
病理解剖の結果は、臨床・病理症例検討会(Clinicopathological conference:CPC)などの機会に臨床の担当医と症例の全経過を振り返り、検討されます。
カンファレンス
各科の医師と合同で症例検討を行っています。
内視鏡(週1回)、婦人科(月1回)、呼吸器(月1回)、肝胆膵(月1回)、キャンサーボード(月1回)、乳腺(年6回)、リンパ腫(年4回)の各カンファレンスに加え、臨床・病理症例検討会(月1回)にて耳鼻咽喉科・頭頸部外科、歯科・口腔外科、脳神経外科、産婦人科、神経内科、皮膚科・形成外科、泌尿器科、整形外科各科の教育的な症例や病理解剖症例(全例)を検討しています。
また、年数回の院外カンファレンスにおいて症例の病理診断プレゼンテーションを担当しています。
実績
スタッフ紹介
なかむら さとこ
中村 聡子
あんどう みどり