災害医療
県内には、大規模災害時において発災初期より被災地内での迅速な医療活動の拠点になる「災害拠点病院」が設置されており、当院はそれらの中心的な役割を果たす県内唯一の「基幹災害拠点病院」に指定されています。災害時でも医療が提供できるよう新築時に免震構造を採用したほか、東日本大震災の教訓を生かし、地震・津波・高潮対策として地盤改良や敷地のかさ上げ、防潮堤の設置を行うとともに、主電気室を2階に配置するなど『災害に強い病院』となっています。
また、毎年、当院において策定している「業務継続計画(BCP) 震災対策編」に基づき防災訓練を行うほか、災害に関する勉強会も開催するなどし、災害医療に関して職員全体のスキルアップにも努めています。
その他、地震などの自然災害だけではなく、化学工場の火災など人為的災害に対応するための「CBRNE(シーバーン)災害対応マニュアル」、新型コロナウイルス感染症など新興感染症に対応する「業務継続計画(BCP) 新型インフルエンザ等発生時編」、近年頻発しているサイバー攻撃も一種の災害とみなし「サイバーセキュリティに係るBCP」を制定し、いかなる災害にも病院全体として対応できるよう研修・訓練などを行っています。
また、当院は国内において大規模災害や多数傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(概ね48時間以内)に活動可能な専門的な訓練を受けた医療チーム「DMAT(Disaster Medical Assistance Team)」を保有するほか、県内のみで災害医療活動を行う「香川DMAT」の隊員を養成する「香川DMAT隊員養成研修」を毎年実施しています。
実際に当院DMATは、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震、2018年の西日本豪雨、2024年の能登半島地震に派遣され、被災地で医療活動を行い、微力ではありますが、被災地の復旧、被災者支援に寄与してきました。