最終更新日:2024/03/30

ご挨拶

香川県立中央病院は2024年3月、高松市朝日町に新築移転して10年が経過しました。2024年3月2日には、移転開院10周年講演会を当院講堂で開催し、香川県議会議長、香川県医師会長様をはじめ多く来賓や医療機関の院長先生をはじめ、当院に関連ある先生方にもお集まりいただき、独立行政法人国立病院機構本部DMAT事務局次長の三村誠二先生に災害拠点病院とその役割・連携の必要性についてご講演いただきました。香川県立中央病院の果たすべき最大の使命は、香川県における高度急性期医療(重症の患者の治療や高難度の手術や手技による治療)を担っていくことです。2022年からドクターヘリの運用を開始し、重症患者さんの搬送を行っており香川県内の救急医療の向上に貢献出来ていると自負しております。

 また本年正月に発災した能登半島沖地震のような、広域における地震等の災害が起きた際の、災害拠点病院としての任も担っていく準備も整えております。2024年4月からは新型コロナウイルス感染症に関する、診療報酬加算や専用の確保病床もなくなります。しかしながら、感染力が落ちているわけではないので、高齢者や免疫力の落ちている患者さん(抗がん剤やステロイド等、抵抗力の落ちる薬を使用している悪性腫瘍患者等)は感染すると重症化することがありますので、感染対策は継続しながら高度急性期医療を担っていきます。

 さて、人口減少、高齢化は着実に進みつつあり、人手不足による職員確保も難しい状態となってきております。また医療ニーズの質・量も変化し、労働力人口の減少もあり、これまで以上の効率的な医療体制が望まれます。より広域への多くの医療機関との連携を深め、医療機能の分担を推進し、地域医療の向上に取り組むことを目指しております。 
 普段は「かかりつけ医」の先生方に診療、リハビリ、介護等をお願いし、急病や重大な疾病の際には当院を紹介していただき、病状に合わせた急性期専門医療を行い、病状が安定すればかかりつけの先生方のところへ逆紹介させていただくという、それぞれの特性を活かした機能分担をお願いし、より効率的な医療を行いたいと思っております。また地域の医療を支える医療職の方々を養成するためにも、対面でのセミナーはもとより、DXを使用した、WEBセミナーやオンデマンドセミナー等も増やし、より多くの医療機関の方と一層の連携をはかり皆様と力を合わせて県民の皆さまの健康を支えていきたいと思っております。
 地域の中で当院の果たすべき役割をしっかり果たし、県民の皆さまにより一層信頼され、愛される病院となるように職員一同努力してまいりますので、今後ともご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
                  令和6年4月 香川県立中央病院 院長 髙口浩一