ロボット支援下縦隔手術
2021年9月よりロボット縦隔手術を始めました。
縦隔腫瘍の中でロボット手術の良い適応となるものとして胸腺腫が挙げられます。一般的には胸骨正中切開、すなわち胸骨を立て切りにする開胸法で手術がなされますが、小型で浸潤傾向の乏しい病変に対しては胸腔鏡手術を積極的に行ってきました。基本的には腫瘍を含む胸腺と脂肪組織を一塊にして摘出しますが、胸骨と心臓との間の狭い空間での操作となるため胸腔鏡手術では難しいところがありました。一方、ロボット手術では剣状突起下(みぞおち)からカメラが挿入され、左右に配置した専用の鉗子を用いることにより、より広い視野で精密な手術操作が可能となります。また重症筋無力症に対する拡大胸腺摘出術においても有力な手術法となることが期待されます。