脳卒中医療

未破裂脳動脈瘤 症状

未破裂脳動脈瘤の多くは症状をきたしません。しかし中には年々大きくなり神経の圧迫をきたしたり、また破裂してくも膜下出血をきたす場合があります。くも膜下出血は発生すると半数以上の方が死亡するか社会復帰不可能な障害を残してしまう極めて重篤な病態です(図3)。この出血率は個別の瘤により異なるため一概にその危険性をまとめることは困難ですが、総合すると年0.5~3%の破裂の危険性があるといわれています。大きさの大きい瘤、脳の後方にできる瘤、形のいびつなもの、多数できている瘤、また喫煙者、高血圧を有する患者、高齢者は破裂率が高いと考えられています。表1に破裂をきたしやすい因子をまとめます。日本では10年位前から動脈瘤が破れる前に発見して治療しようという予防的診療が脳ドックの一部として進められています。

動脈瘤がなぜ破れるのかに関しては明確な原因は示されていません。瘤の中には動脈瘤が発生したときに血管壁が血圧に耐えられずすぐに破裂するもの、脳動脈瘤が形成された後に安定化し、その後に動脈瘤の壁に変化がきたされ破裂するもの、また安定化しておちついているものがあるとされます。後者が未破裂脳動脈瘤としてみつかるものですが、破裂した瘤の血流解析などを行うと、特に細長い瘤や形状の不整なものでは動脈瘤の壁の変性をきたしやすく破れやすいのではないかと考えられています。


図3:クモ膜下出血の予後

関与する因子
大きさ 大きいもの(7mm以上)
部位 後方の瘤(脳底動脈瘤、内頸動脈-後交通動脈瘤)、
中央よりの瘤(前交通動脈瘤、脳底動脈瘤)など
形状 不規則な形のもの、ブレブを伴うもの、ドームとネックの比(瘤の長さ/首の長さ)、瘤サイズと母血管の比(瘤の長さ/発生している血管径)の大きいもの
複数あるもの
病気・習慣 高血圧、多発性嚢胞腎症、喫煙
くも膜出血の有無 くも膜下出血をきたした瘤に合併したもの
家族歴 家族(特に同朋;兄弟姉妹)にくも膜下出血患者さんのいる家系

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