教育

分野別ラダー

香川県立病院では、平成16年度よりクリニカルラダーを導入し、看護師のキャリア支援として運用してきました。しかしここ数年の新任看護師の採用人数の増加などにより部署の看護師の年齢構成や経験年数が急速に変化してきました。このような中、質の高い看護ケアの提供を担保するために、部署で必要な看護実践能力を具体的に可視化し、その向上を図る必要がありました。
そこで中央病院では副師長会が中心となり、平成26年度から、部署が標榜している診療科の治療や検査で、求められる看護実践能力を知識・実践・教育に分類し、クリニカルラダーのⅠ、Ⅱ、Ⅲの各段階において期待される能力を示す「分野別ラダー」を副看護師長会で開発、導入しました。

分野別ラダーの特色は、
1)各分野でそれぞれ評価指標があるため、個人が自発的に学習するためのツールとして活用できること
2)個人と部署の看護実践能力の把握と部署におけるリソースナースの可視化が可能になること
3)新任者の教育だけでなく、中堅看護師の人材育成ツールとして活用できるものになっている
などが挙げられます。

分野別ラダーとは、各部署が標榜している診療科ごとに分野として区分したものを指し、ビギナー、I、II、IIIの4段階に分け段階ごとに表1の如く求められる能力を定めています。各部署の診療科の治療や検査などで必要な看護実践能力を3領域(知識、技術、教育)に分け、看護師が達成しなければならない目標設定、評価の基準設定などを各分野、各ラダー段階に合わせて作成したものをいいます。分野別ラダーを運用することで、求められる看護実践能力が可視化できることで自己学習が進めやすい、スキルアップに繋がったなどと職員の評価は高いものとなっています。将来的には各部署間の応援体制で、欲しい人材を分野別ラダーの取得状況にあわせて、投入できる事も期待できるものです。平成28年4月時点では31分野を作成し、運用しています。今後は災害ラダーの導入なども考案中です。

表1「分野別ラダー」の各段階別に求められる能力

定義 求められる能力 評価時期
の目安
備考
ビギナー ラダーIが認定される前で、基本的な看護を指導されている期間   夜勤導入時期 夜勤導入時期に習得すべき看護実践能力の項目は、各部署で選定し、夜勤導入時期を目処に習得できるよう部署で支援し、その項目が認定された段階で夜勤独り立ちの時期とする。
ラダーI
(新人)
指導のもと標準的な看護が実践できる ・代表疾患の症状の観察ができ異常が分かり、ケアができる
・代表的疾患のパス入院を受け持つことができる
・検査前後の看護ができる
3月 期限は1年とする
ラダーII
(一人前)
標準的な看護が実践できる ・代表的な中等度重症疾患患者を受け持ち、看護ができる
・症状のアセスメントができ、予測した看護ができる
・患者・家族に状態やケアの説明ができる
・必要な項目に対する患者指導ができる
8月と3月
(通年)
ラダーIIの到達時期は各部署に任せる
ラダーIII
(中堅)
個別性のある看護が実践できる。チーム力を活用し他職種協働での看護が提供できる ・個別性のある患者指導ができる
・重症患者について看護できる
8月と3月
(通年)
ラダーIIIの到達時期は各部署に任せる

部署と分野別ラダーの内訳

部署名 分野別ラダー名
ICU ICUラダー
救命救急センター病棟 救命センターラダー
4東 消化器外科ラダー
小児科ラダー
未熟児・新生児ラダー
5東 婦人科ラダー
乳腺・内分泌ラダー
6東 神経内科ラダー
肝臓内科ラダー
7東 筋・骨格ラダー
口腔外科ラダー
皮膚科ラダー
8東 消化器内科ラダー
消化器外科ラダー
9東 糖尿病ラダー
腎(透析)ラダー
泌尿器ラダー
10東 血液内科ラダー
4西 産科ラダー
5西 循環器ラダー
心臓血管外科ラダー
部署名 分野別ラダー名
6西 脳外科ラダー
退院支援ラダー
7西 筋・骨格ラダー
形成外科ラダー
8西 消化器内科ラダー
耳鼻咽喉科ラダー
眼科ラダー
9西 呼吸器ラダー
がん・化学療法ラダー
手術部 手術看護ラダー
救急部 救急外来ラダー
放射線看護(IVR)ラダー
外来系 外来看護ラダー
内視鏡センター 内視鏡看護ラダー
腎センター 腎(透析)ラダー
通院治療センター がん・化学療法ラダー
検診センター 検診ラダー

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