診療内容

診療科長（医長）平田 裕二

＜頭頸部癌＞

患者さんのニーズに合った治療を行い、手術が必要な方に対しても機能温存を考慮した再建手術を積極的に導入しています。頭頸部癌は、口腔癌・咽頭癌・喉頭癌・鼻副鼻腔癌・唾液腺癌が含まれます。特に、口腔癌は容易に副鼻腔や咽頭に進展し、頸部リンパ節転移も高頻度に起こすため、癌の進展形式以外にも治療後の嚥下、咀嚼障害など、頭頸部全領域に関する専門的知識が必要になります。耳鼻咽喉科学会も提唱しているように、これら頭頸部癌に対し、耳鼻咽喉科医がイニシアチブを取り、頭頸部外科チームとして他科（形成外科、口腔外科、外科など）との連携を緊密にはかり、ＳＴ（言語聴覚士）などのコメディカルとも協力して治療からリハビリまで一貫して行えるようにしていただきました。疑わしい疾患（例えば嗄声、持続する咽頭痛、持続する口内炎など）があればご紹介よろしくお願いします。

＜鼻副鼻腔疾患＞　

　慢性副鼻腔炎に対しては、保存的治療に反応が乏しい場合には積極的に内視鏡下副鼻腔手術を施行いたしております。ナビゲーションシステムを導入しており、より安全で質の高い手術が提供できるようになりました。
　また、アレルギー性鼻炎に対してはアレルゲン免疫療法（減感作療法）を取り入れています。
その方法は皮下注射と舌下免疫療法の2種類ありますが、当院はいずれの方法も対応しております。対象抗原はスギ、ハウスダスト、ダニとなっております（ダニ、ハウスダストは同一抗原で対応しています）。アレルゲン免疫療法に加えて、鼻粘膜焼灼術（日帰り）や後鼻神経切除術（入院手術）などにも対応いたしております。対象患者さんがございましたらご紹介よろしくお願い申し上げます。

＜睡眠時無呼吸症候群＞

　睡眠時無呼吸症候群の検査（アプノモニター、ポリグラフ）を施行しております。睡眠時無呼吸症候群は、肥満が原因である事が最も多い生活習慣病の一つです。耳鼻咽喉科疾患では、扁桃肥大、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎が原因になっている事が多いですが、最近では循環器疾患、内分泌疾患、呼吸器疾患、精神疾患とも密接に関係していることが注目されており、当院でも積極的に検査を施行し、必要時はCPAPを導入し症状改善に努めています。

＜その他＞

　救急指定病院のため救急疾患にも力を入れています。最も多い疾患は鼻出血ですが、めまい、急性喉頭蓋炎、頸部膿瘍、顔面神経麻痺なども多く、２４時間体制で処置、手術が出来る状態にしています。

　上記のような症例がございましたらご紹介よろしくお願い申し上げます。

　耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域(頭蓋内､眼球､頸椎以外)の炎症疾患､腫瘍疾患を扱っており､患者さん一人一人に対し､可能な限りニーズに合った治療方針を立てていくことをモットーにして診療に取り組んでいます。特に頭頸部ガン(口腔､咽頭喉頭､鼻副鼻腔､唾液腺)には力を入れており､可能な限り機能温存に努めています。例えば､口腔がんは容易に周囲臓器に進展し､咀嚼や嚥下機能障害を起こすため､これらの機能を考慮した治療方針を立てなければならず､他科と協力し治療やリハビリを行い､退院後の患者さんのQOLの向上に貢献しています。耳鼻咽喉科救急疾患にも迅速に対応し､必要時は手術のできる体制にあります。

実績

当院では頭頸部ガン(口腔､咽頭喉頭､鼻副鼻腔､唾液腺等)の診療に力を入れており､加療後の機能を考慮して診療しています。 進行がんの治療には拡大手術や動注カテーテルによる抗がん剤＋放射線治療を他科(外科､脳外科､形成外科､口腔外科等)と協力して行い､ 必要時はリハビリ科と協力し退院に向け積極的にリハビリを行っています。

鼻副鼻腔炎症疾患では鼻内内視鏡とマイクロデブリッダーを使用して､ほとんど鼻の中だけで手術加療を行います。 さらにナビゲーションシステムを導入し､手術をより安全・確実に行えるようになりました。 中耳炎症疾患では高精度顕微鏡を使用し､炎症の除去とともに聴力改善に努めています。 高度救急病院でもあるため､難治性鼻出血､めまい､急性炎症疾なども多く､常に迅速に対応できるような体制にしています。

耳鼻咽喉科・頭頸部外科の手術実績