診療科・部門紹介

診療内容(乳腺・内分泌外科)

乳癌

地域がん診療拠点病院として、精密検査から診断、手術、薬物療法、放射線治療まで、最善で質の高い医療を提供できるようにしています。各科の医師、看護部、薬剤部、通院治療センター、臨床心理士、ソーシャルワーカー、リハビリテーション科がそれぞれ専門性を発揮して、おたがいに連携をとりながら診療にあたります。

最新装置による画像診断

<乳房X線撮影(マンモグラフィ)装置>
乳房専用のX線撮影装置です。乳房をプラスチックの板ではさんで、乳房全体を撮影します。
新病院移転にあわせて、最新のデジタルマンモグラフィ装置を2台導入しました。
うち1台はステレオガイド下吸引式組織生検(マンモトーム生検)に対応した装置で、マンモグラフィを撮影しながら位置を決め、組織の採取をすることができます。マンモグラフィでは石灰化を認めるが、エコーでは見えない早期の乳がんの正確な診断が可能となります。

<超音波検査(エコー)装置>
乳房にゼリーを塗って超音波をあてて、内部からの反射波を画像にして、病変の有無を調べます。
病変部の血流を評価できるドプラ機能や硬さを色で表示することのできるエラストグラフィの機能を搭載した、高機能超音波検査診断装置を導入しています。

<MRI装置>
乳がんの治療前には、MRI装置を使って、がんの大きさやがんがどの程度広がっているのかを詳しく調べます。
新病院では、最新の高磁場の3テスラのMRI装置導入により、今まで以上に正確な乳がんの拡がり診断が可能となり、 適切な治療につなげることができます。


吸引式組織生検(マンモトーム生検)

マンモグラフィやエコーを見ながら、太い針を挿入し、陰圧を負荷して組織を吸引・切離して採取する検査です。
低侵襲で、穿刺吸引細胞診や針生検と比較して、多量の組織を採取することができ、より確実な組織診断が可能です。エコーでははっきりとわからず、マンモグラフィでしか見えない石灰化病変などに対しては、マンモグラフィで位置を決め、吸引式組織生検装置で組織を採取します(ステレオガイド下マンモトーム生検)。

整容性を重視した手術療法

温存手術を基本術式としており、整容性の高い手術を目指しています。腫瘍の大きい症例に対しては、術前化学療法や術前内分泌療法を施行し、腫瘍を小さくしてから温存手術をおこなうことがあります。症例によっては、乳房に傷の残らない内視鏡手術も選択可能です。
センチネルリンパ節生検は、RI(放射性同位元素)と色素による併用法でおこない、高い精度を誇っています。

【乳房再建術】
乳房再建手術が必要な場合には、術前より形成外科医と相談し、(1)人工乳房による再建(2)広背筋皮弁による再建(3)血管吻合をともなった腹部遊離皮弁による乳房再建(4)腹直筋皮弁による乳房再建のなかから、希望によって再建方法を選択していただいております。
日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会の実施施設認定を取得しており、保険診療で人口乳房による再建ができるようになっています。

【リンパ浮腫診療】
センチネルリンパ節生検ではリンパ浮腫を発症することはありませんが、腋窩郭清ではリンパ浮腫を発症することがあります。 当院では、腋窩郭清した方とセンチネルリンパ節生検をおこなった一部の方に対して、1年毎に上肢周囲径を測定し、 リンパ浮腫の早期発見に努めています。リンパ浮腫が認められた場合、形成外科、リンパ浮腫外来と連携をとり、 早期治療をおこないます。


患者さん個人に最適な薬物療法

乳がんに対する薬物療法には、内分泌療法(ホルモン療法)、化学療法(抗がん剤)、分子標的治療があります。乳癌診療ガイドラインや臨床試験のデータに従って、患者さん個人に応じた個別化治療をおこなっています。化学療法、分子標的治療はおもに通院治療センターでおこなっています。
通院治療センターは、化学療法の専門的知識や技術をもったスタッフが連携をとりながら運営しています。治療内容や副作用対策の説明、服薬指導を行ない、外来で安心・安楽な治療が継続でき、日常生活を治療前と変わりなく過ごせるよう支援しています。

【妊孕性温存】
乳癌治療では、抗癌剤治療や長期にわたるホルモン療法で妊孕性が低下します。 当院では、45歳以下の方全員に挙児希望の有無を確認し、希望があれば生殖補助医療が可能な近隣施設と連携します。


放射線療法

温存手術後の残存乳房に対する照射、リンパ節転移4個以上の乳房切除後の胸壁照射などに対しては、専門の放射線治療医と連携のもと治療をおこなっています。

HBOC診療について

乳癌のうち5~10%は、主に遺伝が原因で発症するといわれています。 そのうち最も多いのがBRCAという遺伝子に変異をもつ遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)です。 HBOCは乳癌のみならず、卵巣癌の発症リスクも一般頻度よりも高くなることが知られており、積極的な医療介入が必要であるといわれています。
HBOCに対する診療の一部が、2020年4月より保険診療となりました。
HBOCである可能性が高い場合(45歳以下の場合、家族歴がある場合など、条件に当てはまる方が対象)は、遺伝学的検査が実施でき、HBOCと診断された場合、リスク低減手術やフォローアップ検査が実施できます。 遺伝に関するさまざまな悩みに対しては、がん遺伝相談外来で認定遺伝カウンセラーと相談できるようにしています。

リスク低減手術について

HBOCと診断された場合、乳癌、卵巣癌、卵管癌の既往があれば保険診療で実施可能です。
また保険診療として実施できない場合は、自費診療で実施できるようにしています。詳細は担当医にご確認ください。

甲状腺、副甲状腺

甲状腺疾患は女性が多く、またたとえ癌であっも予後が良好であることが多いため、根治性とともに整容性にも配慮した手術をおこなっています。

低侵襲性手術

患者さんの病態に応じて以下の低侵襲性手術をおこなっています。

  1. 内視鏡補助下甲状腺手術:
    皮膚切開は鎖骨の下方に4.5cm、および2ヶ所の5mmの切開をおきます。甲状腺の切除範囲は通常手術と同じです。通常の服装では切開創は服に隠れて見えず、美容上良好な満足度が得られております。
  2. 小切開頸部手術:
    前頸部に4cmの皮膚切開を加え皮下剥離をほとんど行わないで手術をおこないます。したがって、しびれ、つっぱり感、飲み込みにくさといった術後頸部愁訴の低減が可能で、QOLの高い手術法です。

下図は、傷の位置を示します

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